「盛夏」「聖火」「星華」

前回、「新緑の季節に寄せて」を掲載させて頂いてから瞬く間、列島各地で猛暑が伝えられる中、札幌も真夏日が8日を数え、滾るような今夏となっています。2ヵ月程の短い「北の夏」ですが、それ故に草花が豊かに生い茂り、陽射しを浴びて動物たちが野を巡る、生命の躍動に満ち溢れた素晴らしい季節であると言えます。

今、開催されているロンドンオリンピックも、トップアスリート達の活躍に列島全体が大変な盛り上がりを見せています。
先日、オリンピックと気象の関わりで、ひとつ、面白い話題が伝えられていましたので、御紹介します。
戦後のオリンピックで日本の獲得メダル数が30個以上になったのは、過去2回だけです。そのひとつ、ロサンゼルスオリンピックのあった1984年は、ラニーニャ現象が継続して発生し、大変な猛暑となりました。もうひとつのアテネ大会があった2004年は、観測史上1位となる最高気温が記録され、真夏日の日数も記録を更新する地域が各地で相次ぐ、歴史的な猛暑となりました。
1984年ロサンゼルスでの日本の獲得メダル数は32個。その後、記録的な大猛暑となった2004年アテネのメダルは、戦後歴代1位となる37個を数える事になったのです。

「猛暑の年にはメダルが多い」。どうやら今年もこの「法則」が威力を発揮しそうです。

そして、メダルだけではなく「環境や資源の問題」をテーマに掲げるロンドンオリンピック。利便性や簡便さと裏表の課題が切実に示されている今日であるからこそ、ひと時「文明の火」を絞って、窓外にそよぐ風を感じつつ今夏を過ごしたいと考えております。

北海道は8月7日が七夕です。5月の金冠日食には、空を見上げた方も大勢いらっしゃると思いますが、今月10日からは三大流星群の一つ、ペルセウス座流星群の活動が活発となり、12日には華やかに煌めく流星が見える事でしょう。 14日には月が金星の前を横切り、隠してしまう「金星食」も観測されます。

「盛夏」に各所で節電が叫ばれ、「聖火」に列島が熱狂するこの夏ですが、戸外の夜空を彩る「星華」な時間も楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

<札幌散歩 ~盛夏~>

大通公園 マイバウム
札幌市中央区大通西11丁目マイバウム

大通公園は札幌市の中心部に位置し、西1丁目から西12丁目までの長さ約1.5Km、面積7.8haの公園です。 美しい花壇や芝生、4,700本に及ぶ樹木に囲まれ、札幌のシンボルとして、初夏の訪れを告げるライラックまつり、YOSAKOIソーラン祭り、雪まつりなど四季折々のイベントが開催されています。
この時季には、13,000席に及ぶ国内でも類のない規模の「納涼ビアガーデン」が開かれ、天候に恵まれた今年は大勢の来場者で連日活況を呈しているようです。
西5丁目会場のサントリーから始まり、アサヒ、キリン、サッポロと国内メーカーが凌ぎを削っていますが、私のお薦めは、西11丁目会場の「ドイツ村」です。 名高いミュンヘンビール祭りと全く同一のビールが飲め、本場のドイツソーセージも熱々で、ザワークラフト(酢漬けキャベツ)やアイスバイン(豚肉を野菜や香辛料と煮込んだ伝統的郷土料理)と共に楽しめる場所です。

その11丁目東側の入り口に、ひと際、高々とそびえ立つ塔があります。 「マイバウム」(5月の木)と呼ばれるそのモニュメントは、樹木に宿る精霊が病気や悪霊から家や家畜を守り、豊穣と繁栄をもたらすという民間伝承・樹木信仰に由来するとされます。1972年に冬期が札幌、夏期がミュンヘンで開かれたオリンピックを契機に、緯度や人口が似通い、畜産を重要な産業とする北海道とバイエルン州で交流も頻繁に行われていた事から、この2都市間で姉妹都市提携が結ばれ、それを記念して1976年にミュンヘン市から札幌市へ寄贈が行われた物です。 今年は、その姉妹都市提携の40周年にあたります。春夏秋冬、数多くの催しが開催される大通公園ですが、その西端にはヨーロッパ・北海道の友好の証が静かに佇み見守っています。
麦の恵みと食で賑わう盛夏の札幌を御来札の折に是非ご堪能頂ければと思います。

田畑 貴子