平成の『青春小説』もいいものです。

9月9日(日) 重陽の節句。
札幌は大雨、孫の来訪もなく静かな一日、終日小説に読みふけりました。
津軽時代の先輩が本屋さんで目にした本で、友人が “ まわし読みを ” ということで借りていたものです。

越谷オサムの『いとみち』という『青春小説』でした。
本の帯に「お帰りなさいませ、ご主人様」のタイトル。

板柳から弘前に通う女子高生1年の “ 相馬いと ” が、“ ばば ” と父親には内緒で青森の『メイドカフェ』でアルバイト。
幼い頃に母を亡くし “ ばば ” に育てられ、津軽三味線を習う。 “ いと ” という名前にも劣等感を抱いている女子高生。

極度の津軽弁と泣き虫で、引っ込み思案の “ いと ” の春から夏にかけての数ヶ月間のアルバイト生活を描いています。
バイト先のまじめな店長、二人の先輩メイドの親切で強烈な「指導」?と 怪しげな「トド」のようなオーナー。やっとできた3人の女子高の友人との交流。そして “内気 ” で “ まじめ ” で “ お堅い仕事 ” のメイドカフェのお客さん。

筆者の軽いタッチの文章と展開、『津軽弁』と『岩木山』や津軽の地名を懐かしみながら “ いと ” のささやかな変化と成長を追った一日でした。
たまには平成の「青春小説」に触れるのもいいものです。

「いじめ」と「自殺」の報道が多い昨今ですが、“ いじめ社会 ” への問題提起ともとれます。
すがすがしさの残る一冊でした。

安渡 豊