「雪の華」

11月を迎え、今年も残り僅かと感じさせられる頃になってきました。
そして、この時期になると「冬」「雪」を題材に取った曲が聴きたくなります。
その一つが「雪の華」。自分が心寄せる人と過ごす事の出来る幸せを、美しく舞い落ちてくる雪の情景と重ねた、大変ロマンティックなラブバラードで、あるカラオケ楽曲の調査では、「女性に歌って貰いたい曲」の第1位、今年の「札幌雪まつり」を期に行われたカラオケ大手の株式会社第一興商のリクエストランキングでも、若者にカリスマ的な人気を誇るバンド:レミオロメンの「粉雪」に続き、堂々の第2位に挙げられています。
北国に暮らす私が聴くと、この曲のテーマになっている「雪の華」とイメージが寄り添う ものがあります。

初雪の降る少し前に、北海道では身体が綿に包まれた「雪の妖精」のような小さな虫が現れます。
あたかも本物の雪のようにふわふわと風に舞って、羽織り始めたコートやマフラーなどに付いてしまう事が風物詩ともなっており、この虫を見かけると冬が近づいた事を感じさせられます。 この小さな虫は「雪虫」と呼ばれ、体長5mm程のアブラムシの仲間です。秋になり越冬する前に羽をもった成虫が生まれ、飛ぶ力が弱く風になびいて流れるので、その飛行が雪を思わせる姿となるのだそうです。雌は産卵を終えると、雄も1週間程で寿命を終えてしまい熱にも強くない為に、人の体温でも弱ってしまう儚さをもった虫でもあります。

「雪の訪れを告げるもの」として、道民の間に広く知られているこの雪虫、「この虫を見てから約1週間から10日で初雪が降る」というのが通説なのですが、株式会社ウェザーニューズが北海道エリアのスマートフォン・携帯サイト利用者に協力を募り、利用者が雪虫を発見した際にそれをカメラ機能で撮影し、報告された場所と数を参考に、初雪が観測された日との関連を調べるという調査を行っており、道内の主要8都市を対象とした2007年からの調査結果によりますと、雪虫が見かけられてから初雪までの平均日数は「21日前後」。従来の道産子の感覚より1週間以上遅いというデータが出ています。
この事には、平均気温の上昇等、近年の気象環境の変化が影響しているのでは、との推察も出されていて、こんな所にも地球環境の変動が顔をのぞかせている事を感じさせられます。
記録的な猛暑であった夏を受け、今冬どのような天候となるのか、気象の異常が心配されますが、静かに舞い降りてくる「雪の華」を見上げられるような、穏やかな年の瀬になる事を心から願いつつ、本格的な冬の到来を待ちたいと思います。

 

<札幌散歩 ~秋~>

北海道庁 旧本庁舎(札幌市中央区北3条西6丁目)
・・・・・・・・・・ 問合わせ:北海道総務部総務課 TEL011-204-5019

道庁赤レンガ

「赤レンガ」の愛称で親しまれている北海道庁旧本庁舎は、かつて北海道庁の本庁舎として 1888年(明治21年)にアメリカ風のネオ・バロック様式で建築されたレンガ造りの西洋館であり、国の重要文化財となっています。
館内は北海道開拓関係資料を展示・保存する北海道立文書館等として一般に公開されていて、一部は隣接する現道庁の会議室として現在でも使用されています。
北海道にとって、象徴的存在であり、広報番組などのタイトルにしばしば「赤レンガ」という言葉が用いられているほどです。先頃まで見事な黄葉を見せていた道庁前のイチョウ並木は、大正14年、勅任名井九介(みょういくすけ)の指導により植えられたもので、日本の明治期を代表する建物本体と共に周辺の豊かな緑は札幌市民のオアシスとなっています。

市の中心部からほど近く、北海道の歴史を湛えながら、今も道民の生活に根ざしている 「道庁赤レンガ」。来札の折に、是非お立ち寄りください。

田畑 貴子