東京発・当世若者の恋愛観・経済観

若者の恋愛観や経済観をめぐる各種調査が興味深い

仕事も多く、若者たちが憧れる東京。華やかで便利な半面、若い世代の多くが「お金」に不安を抱えていることが、最近の電通総研の調査で明らかになっている。各種調査でも恋愛や結婚にも経済事情が影を色濃く残している。 特に不況しか知らないバブル後の世代は、お金への不安を感じており、結婚を含め金銭見合いで行動を抑えることがある。恋愛も結婚もカネ次第ということなのだろうか。

○ 交際相手が欲しいか(楽天オーネットの新成人意識調査)
「欲しい」と答えた割合は2000年には80%を超えていたのが2015年は65%。

○ これまでの交際人数(楽天オーネットの新成人意識調査)楽天オーネットの新成人意識調査

○ 現在不安だと思うことは(20代、複数回答:電通総研若者丸わかり調査)電通総研若者丸わかり調査

○ 今後お金をかけたいこと(20代、複数回答:ADK2014年調査)ADK2014調査

 

 恋愛の価値が低下している

「結婚にはメリットがないと思う。だってコスパが悪いですよね。」「きれいでかわいい人といられるのはプラス。ただ、きれいというのは年々下がるし、特定の相手に一生縛られるのはマイナス。二人分の生活費もかかる」「ぼくらは日本のいろんなものが崩れていくのを見てきた世代。不景気が当たり前だった」とコストパフォーマンス(費用対効果)の略語を使って、結婚しない理由を冗舌に解説し、結婚でさえ、損得勘定で考えると明言する。以前では考えられない論理だが、こういう考え方の若者が増えている。
今の若者は、個性重視の教育の影響もあって、理想は一つじゃないと教えられて育ってきた。不況もあり、将来の希望を抱いていないというのも特徴の一つだ。結婚が一番正しいという価値観が相対的に低くなり、損得で恋愛や結婚を考えるようになっている。
特に東京は地方と違って、多様なライフスタイルができるため、この傾向が強い。国立社会保障・人口問題研究所の調査(2010年)によると、全国の生涯未婚者は90年代から急速に上がり始め、男性は20.14%、女性は10.61%に達した。中でも東京の比率は高く、男性は4人に1人の25.25%、女性は6人に1人の17.37%が結婚していない。いずれも全国平均を大きく上回っている。

幸せを求めて地方へ

先日、新聞で「農業婚活バスツアー」が取り上げられていた。主催したNPO法人「ライフプランニング」によると、この種のツアーは希望者がすぐに集まり、人気が高いという。ツアーの参加者は、「物価が高い東京では、いくら働いても、その分使って何も残らない。子育てを考えると、地方の方が地域で子供を育てる雰囲気があると思う」と話し、「稼げなくなっても農業なら食べていける。結婚したら田舎に住みたい」と割り切る。
何事にも金がかかる東京に見切りをつけ、地方での婚活に乗り出す女性たちの思いは明快だ。
このツアーには、首都圏在住の20~40代の女性14人が参加し、地元農家の男性15人と農業を学びながら懇談した。そして3組のカップルが誕生した。
東京の住みにくさの一つでもある物価の高さ。総務省の小売物価統計調査によると、東京の消費者物価地域差指数は、13年は全国平均の100を上回る105.2に上り、とりわけ家賃(指数132.8)が高い。給料の低い若者にとって結婚、出産、子育てを見据えると、地方に目を向けるのも、うなずける。

安藤 敏明