「札幌美食店探訪」

今年、ミシュランガイド北海道版が発刊されました。初版はほとんどの書店で初日に売り切れという反響で増刷版を漸く手に入れました。手に入れて拝見した感想は、余り大騒ぎする程ではない・・・というのが率直なところです。

そのために旅行する価値がある卓越した料理「三ツ星」は4店。遠回りしてでも訪れる価値がある素晴らしい料理「二つ星」は13店。そのカテゴリーで特に美味しい料理「一つ星」の41店はそこそこですが、その他の掲載店は玉石混合で、こんなに名店があるのかと、勘違いする程です。料理は食べる人、作る人、それを評価する人。それぞれの好みが色濃く出ます。

10人が10人採点すればみんな違います。音楽コンクール然り、体操競技然り、フィギュア然りです。採点する人の立つ位置によって違うのが採点競技です。

ミシュランガイドもそのようなものだと理解しています。現に名前が挙がってもいいと思うお店で聞いたところ、取材にも来なかったという話です。もっともこのお店の根強いファンは「星」はおろか、お店の掲載店に乗らなかったところに意味があると喜んでいました。そこで考えました。よし、“安藤版ミシュランガイド” で行こう。
名付けて「札幌美食店探訪」。

第1回は「茶寮滝乃家」です。
お料理、露天風呂、日本庭園で有名な登別の老舗高級旅館「滝乃家」が、こだわりを持って営む懐石料理のお店です。鴨々川の畔に仄かな明かりが見える隠れ家のような静かなお店は個室中心ですが、板前が立つカウンターも備えています。
母と妹が登別の滝乃家のファンだそうで、一度茶寮滝乃家へ行きたいと希望していましたが、私が入院するなど、日程の調整が出来ないうちに、ミシュランガイドで一つ星になったことを聞き、それではと母が招待してくれることになりました。
(もっとも支払いは妹がしたようですが)
茶寮「瀧の家」フロア席カウンター席
7月14日(土)17:30分予約。少し早いのですが、愛犬アルルのシャンプーの時間に合わせての食事時間となりました。

1・2品目(しのぎ)
余市産の生うに。甘い!
そして姫鱒(チップ)の握り。これは繊細な味。
いずれも北海道の今が旬のメニュー。
最初から直球で来ました。

 

 

3品目(前菜)
ズワイガニの内子、パプリカの白州合え、 満願寺の唐辛子と太刀魚と空豆、鰯の梅肉、そして北海しまえび。

 

 

 

4品目(椀物)
鱧のすまし汁(ジュンサイ入り)

 

 

 

 

5品目(お造り)
ホッキ貝、鮑、さめガレイ、真イカ、ハタ。白身は梅肉醤油で、貝は土佐醤油で。もちろんそれぞれ好みで自由。ホッキ貝は北海道産で今が旬、ハタは北海道では馴染みがないが、南日本の浅い岩礁地帯に棲む高級食材だそうです。とても上品な味でした。

 

6品目(煮物)
平目と野菜(かぼちゃ、ごま豆腐、オクラ、里芋)。
平目を煮物で食するのは贅沢。餡が良い味を出していました。

 

 

 

7品目
鮟鱇の肝とズワイガニのゼリーズがけ。
料理長のオリジナルで絶品でした。

 

 

 

8品目(焼き物)
鮎の塩焼きレモン添え、カボスのたれ

 

 

 

 

9品目(揚げ物)
ふぐのから揚げ、甘長のトウガラシと小ナスのレモン添え。
ふぐのから揚げに目がいってしまい、箸をつけてから写真を撮るのを忘れていたのに気づいて慌てて撮りました。そのため少し乱れております。料理長ごめんなさい。

 

10品目(お食事)
冷やしそうめん。手延べ三輪そうめん。
5~6年前、三輪の近くの樫原神社で有名な樫原ロイヤルホテルで戴いた、三輪の冷やしそうめんの感動を思い出しました。

 

 

11品目(デザート)
抹茶入り葛餅とメロンゼリー。
メロンは赤肉と青肉の2種類。

 

 

 

 

おひとり1万2000円。母と妹からの、ちょっと贅沢な退院祝いと誕生日の贈り物でした。まるで登別の滝乃家で、居ながらにして料理を戴いている、そんな錯覚に駈られたひと時でした。

次回は「これぞ北海道の料理」。私が学生時代から通っている郷土料理店を紹介します。

安藤 敏明